周期的でない離散時間信号の場合,離散時間フーリエ変換することで,周期
で,連続的なスペクトルが得られるんだった.
これが, が周期的な場合にどうなるかを考えてみるわけだ.まず,スペクトル
が離散的になるってのは,これまで話して来た通りだ.じゃあ,各点の
はどういう値になるか?
で,逆変換である の計算の方は
を積分するわけだが,
の間隔でデルタ関数が並んだ
を長さ
の区間で積分するわけなので,要するにインパルス
本の面積を足し合わせることになるわけだ.それによって,元の有限値の列
に戻るという仕組みだ.
まずは, をこんな風に表すところから始める.
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(6.1) |
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(6.2) |
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(6.3) |
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(5.3) |
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(6.6) | |
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(6.7) | |
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(6.8) | |
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(6.9) | |
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(6.10) |
まとめよう.
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(6.11) |
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(6.12) |
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(6.13) |
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(6.14) |
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(6.15) |
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フーリエ係数の計算 | (2.28) | |
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フーリエ級数 | (2.18) | |
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フーリエ変換 | (3.11) | |
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フーリエ逆変換 | (3.10) | |
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離散時間フーリエ変換 | (5.3) | |
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離散時間フーリエ逆変換 | (5.8) | |
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離散フーリエ変換 | (6.5) | |
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離散フーリエ逆変換 | (6.4) |
離散性と周期性に注目して表にするとこんな感じになる.
時間領域 | 周波数領域 | |||
離散性 | 周期性 | 離散性 | 周期性 | |
連続 | 周期的 | フーリエ級数展開
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離散的 | 非周期的 |
連続 | 非周期的 | フーリエ変換
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連続 | 非周期的 |
離散的 | 非周期的 | 離散時間フーリエ変換
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連続 | 周期的 |
離散的 | 周期的 | 離散フーリエ変換
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離散的 | 周期的 |
フーリエ変換は連続・非周期のまま,離散フーリエ変換は離散的・周期的のまま,時間領域と周波数領域を行ったり来たりする変換だ.それに対して,フーリエ級数展開と離散時間フーリエ変換は,「連続・周期的」と「離散的・非周期的」が入れ替わりながら行ったり来たりする変換になる.
あと,さっき出てきた「高速フーリエ変換」は,あくまで「離散フーリエ変換」の高速計算方法だってことには注意しておこう.
swk(at)ic.is.tohoku.ac.jp