ネットワーク制御系の解析・設計

多数のセンサをネットワーク結合することは，観測対象の時空間情報を把握するための有力な手法の一つです．そのような大規模ネットワークセンサシステムを効率的に運用するための解析・設計手法を提案しています．

高速・最適センサスケジューリング

大規模センサシステムでは，すべてのセンサを常に稼動させる必要はありません．むしろ，不必要なセンサは使用しない方が，消費電力や通信容量の点で優れています．本研究では，センサ群を効率的に利用するための動的センサ選択手法（センサスケジューリング手法）を提案しています．

関連文献 - 荒井・岩谷・橋本：高速最適センサスケジューリング. システム制御情報学会論文誌, Vol. 21, No. 10, 2008. - S. Arai, Y. Iwatani, and K. Hashimoto. Fast and optimal sensor scheduling for networked sensor systems. In Proc. of the 47th IEEE Conference on Decision and Control, Cancun, Mexico, December 2008. - S. Arai, Y. Iwatani, and K. Hashimoto. Optimal sensor scheduling of sensors in a sensor network for mobile robot navigation. In Proc. of American Control Conference 2007, pp. 1027-1032, New York City, USA, July 2007.

センサシステムの非同期優位性

複数のセンサから構成されるシステムに対して，高精度計測のための同期（すべてのセンサの同時刻観測）に関する研究が盛んに行われています．では，同期は常に必要なのでしょうか？　制御系などにおいて時系列データを評価指標とした場合に，非同期センサシステムの精度が，同期センサシステムの精度を上回ることがあります．本研究ではその事実を理論的に明らかにし，非同期優位となる条件を導出しています．

関連文献 - 荒井・岩谷・橋本：同期・非同期センサシステムの解析，第37回制御理論シンポジウム予稿集，2008.