[English | Japanese]

ビジュアルサーボ  

視覚情報処理の過程とシステムのダイナミクスを結合する理論的な枠組みをビジュアルサーボと呼びます.コンピュータビジョンの動的な過程をシステムのダイナミクスと一体化して表現することで,システム全体としての安定解析や制御系設計が可能になります.

ビジュアルサーボの基礎理論

ビジュアルサーボの最も基礎的な問題は,ロボットマニピュレータの手先(先端)に取り付けられたカメラの取得する画像が,与えられた望ましい画像に一致するようにロボットを制御することです.次の動画では,特徴点(ここでは黒い背景の中の白い点)を常にカメラ画像内に保持しながら,現在画像が目標画像に一致するようにロボットが制御されています.

また,フィードバック制御に適した特徴量抽出手法や,キャリブレーション誤差にロバストなロボット・カメラ系の構成法も提案しています.

関連文献 - G. Chesi and K. Hashimoto. Keeping features in the field of view in eye-in-hand visual servoing:a switching approach. IEEE Trans. on Robotics, Vol. 20, No. 5, pp. 908-913, 2004. - K. Hashimoto. A review on vision-based control of robot manipulators. Advanced Robotics, Vol. 17, No. 10, pp. 969-991, 2003.

隠れに頑健(ロバスト)なビジュアルサーボ

カメラが取得する映像は,常にフィードバック制御に利用可能とは限りません.例えばカメラの前を何物かが横切ると,観測対象を正しく観測できず,結果として制御系の暴走を引き起こすこともあります.この問題を解決するために,隠れに頑健(ロバスト)なビジュアルサーボ手法を提案しています.次の動画では,外部設置された複数のカメラが取得する映像を用いて,小型電動ヘリコプタを制御しています.ヘリコプタ下部には四つのマーカ(ピンポン玉)を取り付け,その位置からヘリコプタの三次元情報を復元しています.途中,人が飛行区域に立ち入ることで一部のカメラがヘリコプタを観測できない状況が発生しますが,各マーカが正しく計測できているか否かを判断することにより,継続した飛行が可能になっています.

関連文献 - 岩谷靖, 渡部渓, 橋本浩一. 隠れにロバストなビジュアルサーボ. 日本ロボット学会誌, Vol. 27, No. 1, pp. 55-62, 2009. - Y. Iwatani, K. Watanabe, and K. Hashimoto. Visual tracking with occlusion handling for visual servo control. In Proc. of 2008 IEEE International Conference on Robotics and Automation, pp. 101-106, Pasadena, USA, 2008.

小型ヘリコプタのフォーメーション制御

提案している技術を組み合わせることで,小型ヘリコプタのフォーメーション制御を達成しています.

関連文献 - Y. Iwatani, Kohou, and K. Hashimoto. Multi-camera visual servoing of multiple micro helicopters. In Proc. of SICE Annual Conference 2008, pp. 2432-2435, Tokyo, Japan, 2008.


login